栗しごと、はじめました_2019秋

昭和天皇に献上した「やまえ栗」をはじめ、人吉球磨は日本を代表する栗の産地です。盆地特有の寒暖の差や肥沃な赤土が甘くて大きな栗を育てます。

このイガイガの中には、あのほっくり甘い天使の実が入っています。この栗を使って、美味しいものを作りたい!ということで、梅しごとに続き、栗しごとをはじめました。

日本全国で人気の高い「やまえ栗」は地元でもすっかり入手困難になり、調達を心配していましたが、極上の「やまえ栗」が 生産者さんから届きました。大きくて丸みがあってずっしりとした、最高級の栗。つやつやした鬼皮もまた、剥くのがもったいないくらいに美しいのです。

栗を剥くのは大変な手作業です。大部分は生産者のおばあちゃんたちが引き受けてくださいます。私たちもお手伝いしたものの、おばあちゃんたちの2倍も時間がかかってしまいました。そして親指がいたい。おばあちゃん、すごいです。

きれいに剥いた栗をゆでています。ていねいに、ていねいにアクをとりのぞいています。天然の栗の色を美しく残して、にごりのない澄んだ味にするためには大切な工程なのです。蒸気からは栗の香りがただよっています。

栗ピュレは、オトナの味にしたくて、焼酎ブランデーで仕上げました。米焼酎から作られたブランデーは、コニャックに樽で長期熟成した限定品。ぶどうで作ったコニャックと比べると、米焼酎ブランデーのまろやかさが人吉球磨産の栗とぴったり。ひとくち味わいたいのをぐっとこらえて、もうひとつの栗製品、栗バター作りにとりかかります。

栗の甘みを引き立てる隠し味は、五島列島のお塩。美味しいものを作りたいから、材料は吟味に吟味を重ねています。